豆乳を飲むとハゲを防止できる?豆乳が薄毛の予防につながる理由とその仕組みを詳しく解説

「豆乳を飲むと薄毛が改善するって本当かな?」
「豆乳を飲むと抜け毛の予防になると聞いたけれど、実際はどうなんだろう…」

あなたには、このような豆乳と薄毛に関する疑問や関心はありませんか?

豆乳が身体に良いことは知っていても、髪の発毛や薄毛対策にも好影響を与えるというのは知らない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、豆乳に含まれている成分や効果的な豆乳の摂取量はどの程度か、豆乳の摂取が薄毛対策になる理由などを紹介しています。

豆乳による薄毛対策に興味のある方には、必見の内容となっています。ぜひ最後までお目通しください。

男性の薄毛対策に効果あり!大豆イソフラボンに期待できる3つの作用

豆乳には髪の発毛や育毛に関与する様々な成分が含まれていますが、その中でもAGA(男性型脱毛症)の対策として期待できる成分が「大豆イソフラボン」です。大豆イソフラボンが持つ以下の3つの作用が、AGAによる薄毛の対策として力を発揮するとされています。

  • AGAの原因物質である5αリダクターゼの働きを抑制する
  • 発毛や育毛を促すIGF-1を増加させる
  • 女性ホルモンに似た作用を得られる

AGAの原因物質である5αリダクターゼの働きを抑制する

AGAによる薄毛の原因物質は、男性ホルモンの1つであるDHT(ジヒドロテストステロン)です。DHTは、テストステロンという男性ホルモンと5αリダクターゼが結合することで作られます。DHTは、髪のヘアサイクルにおける成長期の期間を短縮する作用があり、髪が育つのを阻害して薄毛を引き起こします。

髪のヘアサイクル(毛周期)とは、髪が生え変わる周期のことです。ヘアサイクルには「成長期」「退行期」「休止期」の3つの段階がありますが、その中でも「成長期」が重要で、この期間に髪が太く長く成長するのです。

大豆イソフラボンは5αリダクターゼの働きを抑制する作用があり、その結果DHTの生成が減少することで発毛や育毛の効果が期待できます。

発毛や育毛を促すIGF-1を増加させる

大豆イソフラボンは、IGF-1(インスリン様成長因子)と呼ばれる成長因子を増加させます。

IGF-1には、髪の成長に欠かせない毛母細胞の増殖や活性化を促す作用があります。毛母細胞の増殖や活性化が促進されると、健やかな髪が育ちやすくなります。さらにIGF-1は、ヘアサイクルにおける「成長期」の期間を延長させたり、毛髪のタンパク質の量を増加させたりすることで、発毛や育毛に貢献します。

このように発毛や育毛に大きく関与するIGF-1ですが、思春期をピークに年齢を徐々に減少していき、IGF-1の減少量が多い人ほど薄毛になりやすいことが分かっています。

大豆イソフラボンによってIGF-1を増加させることができれば、薄毛になる可能性を減らすことができるでしょう。

女性ホルモンに似た作用を得られる

大豆イソフラボンは、女性ホルモンの1つである「エストロゲン」に似た構造を持つことから、植物エストロゲンと呼ばれることもあります。

化学構造が似ていることから、類似の作用を示すことが分かっています。具体的には、髪にハリやツヤを与えたり、頭皮の新陳代謝を促進するなどです。

発毛しやすい環境を整える!豆乳に含まれる7つの成分

豆乳には、発毛や育毛効果が期待できる複数の成分が含まれています。大豆イソフラボンに加えて以下の7つの成分にも、発毛しやすい環境を整える作用が期待できるのです。

  • 大豆タンパク質
  • 大豆サポニン
  • レシチン
  • リノール酸
  • オリゴ糖
  • ビタミンB群
  • ビタミンE

大豆タンパク質

髪の毛の主成分は、「ケラチン」というタンパク質です。タンパク質は髪を健やかに育てるのに欠かせない成分であるため、不足すると発毛が正常に行われなかったり、髪のハリやコシがなくなったりします。

豆乳に含まれている大豆タンパク質の摂取は、健やかな髪を育てるのに役立ちます。

大豆サポニン

大豆サポニンには「抗酸化作用」と「アディポネクチンの分泌を促す作用」があり、この2つの働きから薄毛を予防します。

抗酸化作用

薄毛になる原因物質の1つに「活性酸素」があります。活性酸素は、髪の成長に欠かせない毛母細胞の働きを低下させることで、薄毛を引き起こします。しかし、抗酸化作用のある物質を摂取することによって、活性酸素が髪や身体に与える影響を弱めることができるのです。

大豆サポニンには抗酸化作用があり、摂取することで活性酸素の影響を弱め、髪の発毛に欠かせない毛母細胞を守ることができます。

アディポネクチンの分泌促進作用

大豆サポニンには、「やせホルモン」と呼ばれるアディポネクチンの分泌を促進する作用があります。薄毛の原因の1つに過剰な糖質や脂質の摂取がありますが、アディポネクチンは摂取された糖質や脂質が消費されるのをサポートする効果があるのです。

大豆サポニンによるアディポネクチンの分泌を促進する作用によって、過剰な糖質や脂質が体内に蓄積するのを防ぎ、薄毛のリスクを軽減します。

レシチン

レシチンは、「乳化作用」を持ちます。水と油は本来、分離して混ざり合うことはありません。しかし、乳化作用を持つ成分を加えることによって、油が水に溶けるようになるのです。

体内で血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が過剰になると、血がドロドロになり、血行が悪くなります。血行が悪い状態は頭皮にも悪影響を及ぼし、血液と一緒に運ばれる酸素や栄養が頭皮に届きにくくなります。その結果、健やかな髪が育ちにくくなるのです。

乳化作用が体内で有益である理由は、血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を溶かしやすくなり、血行が悪化するのを防ぐ効果があるためです。

リノール酸

リノール酸とは、不飽和脂肪酸の1つで、血中のLDLコレステロールを下げる効果があります。レシチンと同様に、血中のLDLコレステロールを下げることで血行を改善し、健康的な髪が生えるための栄養や酸素が頭皮に届きやすくなる効果が期待できます。

オリゴ糖

オリゴ糖は、腸内に生息する善玉菌のエサになることで、善玉菌の菌数を増やす助けになります。善玉菌が増えることで、腸内環境を健康的な状態に保つことができるのです。腸と髪は関係がないように思えるかもしれませんが、実は大きく関係しています。

その理由としては、腸内環境が乱れると、小腸における栄養の吸収率の悪化や腸内で発生した有害物質が血中に移行することにつながります。それにより、十分な栄養が頭皮に届かなかったり、血行不良になったりすることで髪の成長を妨げてしまうのです。

オリゴ糖の摂取は、腸内環境を整えることで髪の成長に貢献します。

ビタミンB群

ビタミンB群、その中でも特にB1、B2、B6は、糖質や脂質などの代謝を高める働きがあります。糖質や脂質は生命維持に欠かせない一方で、過剰摂取は薄毛や脱毛を引き起こすことが解明されています。ビタミンB群の働きによって糖質や脂質などの代謝を高めることができれば、過剰な糖質や脂質の蓄積による薄毛や脱毛を防ぐことができるのです。

糖質や脂質などの代謝を高める働きに加えて、ビタミンB群は以下のような機能も備えています。

機能
ビタミンB1皮膚の健康を維持し、肌の状態を回復させる
ビタミンB2皮脂の分泌を調節する
ビタミンB6細胞の新陳代謝を促進させることで、健康的な頭皮の生成を助ける
ビタミンB12赤血球の生成を促進することで、十分な血液が頭皮に届ける
ビオチン(ビタミンB7)髪の主成分であるケラチンの生成時に重要な役割を果たす

ビタミンE

ビタミンEは、抗酸化作用と血中のLDLコレステロールを低下させる作用を持ちます。この2つの作用により、薄毛につながる影響を軽減することが期待できます。

どの豆乳がおすすめ?豆乳は3種類ある

豆乳とは、熱水に浸したり蒸したりすることによって、大豆からタンパク質などの成分を溶出させ、おからを取り除く方法で作られた飲料のことです。豆乳は、日本農林規格(JAS規格)によって大豆固形分の含有量ごとに3種類に区分されています。

  • 無調整豆乳
  • 調製豆乳
  • 豆乳飲料

無調整豆乳

無調整豆乳とは、水に浸したり蒸したりして大豆から抽出したそのままの液のことで、砂糖や食塩などの味付けをしていない飲料です。無調整豆乳に凝固剤(にがり)を加えて固めることで、「豆腐」になります。

無調整豆乳には、大豆固形分が8%以上含まれており、調製豆乳や豆乳飲料よりも大豆固形分が多く含まれているのが特徴です。

調製豆乳

調製豆乳には、大豆固形分が6%以上含まれており、無調整豆乳に砂糖や塩などで味付けをして飲みやすくした飲料を指します。

豆乳飲料

豆乳飲料とは、調製豆乳に果汁やフレーバー(コーヒーや紅茶など)で味付けをした飲料です。大豆固形分は果汁で2%以上、果汁以外のフレーバーなどで4%以上と定められています。

無調整豆乳や調製豆乳よりも飲みやすい製品のため、豆乳が苦手な方でも飲めるかもしれません。一方でカロリーが高いという特徴があるため、飲み過ぎには注意しましょう。

豆乳を毎日飲むのは危険?豆乳の飲み方について

髪を健康にするための様々な成分が含まれている豆乳ですが、最適な効果を得るためには飲み方も重要になります。ここでは豆乳の適切な量や、飲むタイミングなどの具体的な飲み方について紹介します。

豆乳の適正な摂取量はどのくらい?

具体的な決まりはありませんが、成人の方は1日200~600mlを目安に摂取すると良いでしょう。

飲むタイミングは?

豆乳の摂取による血中コレステロールの低下を目的とする場合は、食事中もしくは食後の摂取をおすすめします。その理由は、摂取した豆乳が食事に含まれているコレステロールを吸着して体外に排出する効果が期待できるためです。

紹介したように過剰な血中LDLコレステロールは、薄毛を引き起こす原因の1つです。そのため、コレステロールの値と薄毛が気になっている方は、食事中もしくは食後に摂取すると良いでしょう。

豆乳を過剰に摂取するとどうなる?

豆乳に含まれている大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た構造を持つ物質です。そのため、豆乳を過剰摂取した男性に、女性ホルモンを投与した場合と類似した症例が報告されています。具体例としては、以下の通りです。

  • 体形の女性化
  • 性欲の減退
  • 生殖機能の低下

体形の女性化とは、身体つきがふっくらしたり、男性の乳房が少しふくらんだといったような症例です。

このような過剰摂取の話を聞くと恐ろしく感じるかもしれませんが、1日に200~600mlの範囲内での摂取であれば気にする必要はありません。

より高い効果を期待するならAGA治療を!

紹介したように、豆乳には髪の発毛や育毛に効果的な成分が数多く含まれているため、継続して摂取することで発毛効果が期待できるでしょう。とはいえ、豆乳はあくまでも食品です。より高い効果を得たい場合は、AGAのクリニックを受診することをおすすめします。

AGAクリニックでは、ドラッグストアでは購入できないような内服のAGA治療薬を処方することができます。たとえば、AGAの原因物質である5αリダクターゼの働きを抑制する作用を持つフィナステリドやデュタステリドや、血行改善による発毛を促す作用を持つミノキシジルなどです。

豆乳と薄毛に関するよくある質問

最後に、豆乳と薄毛の関係についてのよくある質問をまとめました。

Q.最近抜け毛が増えていますが、豆乳を飲むことで抜け毛の予防になりますか?

はい、豆乳を摂取することで抜け毛の予防につながる可能性があります。

豆乳には、発毛に不可欠な毛母細胞を活性化させたり、髪に悪影響を与える活性酸素の働きを弱めたりする成分が含まれています。このような豆乳に含まれている成分の働きにより、抜け毛を予防する効果が期待できます。

Q.豆乳には、髪の毛をサラサラにしたり白髪を黒髪にしたりする効果はありますか?

豆乳を摂取することで、髪の毛をサラサラにしたり白髪を黒髪にしたりする効果は、今のところ証明されていません。

しかし、豆乳には髪を健康にする様々な成分が含まれています。これらの成分による頭皮環境の改善が、髪質を良い状態にする可能性はゼロではないでしょう。

最後に

本記事では、豆乳が髪に好影響を与える様々な成分を含んでいること、それらの成分が発毛や育毛につながることを紹介しました。

豆乳を飲んだからといって、すぐに効果が表れるわけではありません。植毛など一部の対策を除いて、薄毛対策で結果が出るまでには時間がかかります。健康的な習慣や豆乳の継続的な摂取などによって頭皮環境を整えることができれば、発毛や育毛につながることが期待できます。

本記事の内容を参考に、明日から豆乳による薄毛対策を始めてみてはいかがでしょうか。

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