なぜ白髪はできる?原因と改善方法について解説

「まだ30代なのに白髪が生えてきてしまった…」

「一度増えてしまった白髪はどうすることも出来ないのか」

上記のような悩みを抱えている男性は多いのではないでしょうか。

見た目に関してはさほどこだわりがないという方でも、ある日自身の後頭部に広がる白髪を見つけてしまったら衝撃を感じる場合がほとんどでしょう。

そこで、今回は白髪が生えるメカニズムや原因、手軽に取り入れやすい予防方法などについてお話しします。

ぜひ、最後までお見通し下さい。

白髪とはどんな状態?黒髪には戻らないのか

結論から述べますと、白髪が黒髪に戻る可能性はあります。

そもそも毛髪とは初めから黒色をしているわけではなく、毛母細胞の分裂により毛根に生まれたばかりの段階では無色の状態なのです。黒髪も白髪も始まりは同じ形態であることが分かると、白髪を黒髪に戻すことは決して不可能ではないことが分かりますね。

下記では黒髪が生えてくる仕組みや白髪とはどのような状態であるのかについて解説します。

黒髪が生えるメカニズムとは

黒髪は、毛根に生まれたばかりの段階では色素のなかった毛髪が成長とともにメラニン色素の影響を受け黒く変化したものです。

そもそも、毛髪の主成分は18種類のアミノ酸から合成されたケラチンというタンパク質です。上記のアミノ酸18種類に含まれるチロシンから黒色原料となるメラニンが作られるのです。

チロシンはまずケラチンの一部として髪の形成に使われ、余剰分がメラニンの生成に使われます。生成されたメラニンが毛根にあるメラノサイトから放出されることで、髪は次第に黒くなっていくのです。

産毛のような生えたばかりの毛髪の色素が薄い理由には、メラニン色素量の少なさが挙げられます。

白髪を黒髪に戻すにはメラノサイトの正常な機能やメラニン色素の供給、左記状態の維持が必要なのです。

白髪とはどのような状態をさすのか

なんらかの理由により毛髪にメラニンが行き届いていない状態が続くと白髪が出来てしまいます。

毛髪にメラニンが受け渡されない原因として、メラニンの分泌が滞っていたりメラノサイト自体が減少していたりすることが考えられます。

メラノサイトとは?
皮膚の基底層にあるメラニン合成に特化した細胞を「メラノサイト」といいます。 毛根のメラノサイトは毛髪にメラニン色素を受け渡す働きがあります。

メラニンの供給が不足した毛髪は色素のない状態で成長し、光が反射することで白く際立って見えるのです。

白髪ができる原因

ここまで黒髪や白髪の出来るメカニズムについてお話ししました。以降では白髪が出来る具体的な原因を紹介します。

白髪が原因として考えられる主な事象は下記の5つです。

  • 糖質に偏った食生活
  • 血行不良
  • 紫外線によるダメージ
  • 遺伝
  • 加齢

それぞれについて下記にて詳しく解説します。

栄養バランスの偏った食生活

栄養バランスの偏った食生活は白髪ができる要因のひとつです。

健康的な毛髪にはタンパク質やミネラルが必須です。特に毛髪の主成分はタンパク質であるため、材料となるものが不足すると白髪や抜け毛、毛痩せといったトラブルが起きやすくなるのです。また、アミノ酸やメラニンが作られる過程では亜鉛・銅といったミネラルが必要となります。

日々仕事に追われる男性の中には、食事をコンビニなどで手軽に済ませる方が多いことでしょう。しかし、手軽なものほど上記の栄養素に欠けていることが多いものです。

血行不良

血行不良も前述の食生活の乱れと同様、白髪を引き起こす要因となります。

なぜなら、頭部に走る毛細血管が毛髪形成に必要な栄養素や酸素などを運ぶ役割を果たしているためです。

アミノ酸やミネラル、その他代謝に必要な酸素などが十分に供給されなければ、毛髪を黒くするメラニンや丈夫な髪を作るタンパク質の合成がスムーズに進みません。

若い世代の男性でも不規則な生活や食生活の乱れ、スマホ・パソコンの長時間使用などから自律神経の乱れが生じ、血行不良に陥ることがあります。

若白髪や髪やせ、抜け毛といった毛髪トラブルの改善には血流の状態を整えることが重要なのです。

紫外線によるダメージ

頭皮が紫外線に晒されることもまた、白髪が出来る原因となります。

紫外線の当たった頭皮内には細胞にとって有害な活性酸素が発生するため、メラノサイトがダメージを受け、白髪が出来やすくなるのです。

活性酸素とは
酸化力の極めて強い酸素を活性酸素といいます。活性酸素は周辺細胞を酸化させることによりダメージを与え、不調の原因を生み出します。 呼吸により取り込んだ酸素の内数%が、酸素分子に付随する電子の乱れにより活性酸素へと変化します。

特に髪の分け目は紫外線に晒されやすいため、白髪が出来やすい部位となります。

遺伝

白髪の出来やすさには遺伝的要因が関係しています。

細胞のメラニン供給力には個人差があり、若白髪の方は同じく白髪の出来やすい親の特性を引き継いでしまっている可能性があるのです。

実際、同じ生活をしていても白髪が生えやすい方とそうでない方がいらっしゃることは大いに見受けられます。

特に、本来ならば黒髪の生えてくる10代や20代の方における白髪は遺伝の可能性が高いといえるでしょう。

加齢

加齢による白髪は誰もが経験する自然現象です。

老化により細胞の衰えや筋力の低下、血行不良などが生じると、毛髪を形成するための栄養が頭皮に行き渡らなくなります。頭皮の栄養不足によりメラノサイトは減少し、毛髪の色素は消失していくのです。

加齢速度には個人差があり、20代から白髪に悩む方がいらっしゃる一方で60代になっても若々しい黒髪を維持されている方もいらっしゃいます。

加齢の進行を食い止めることは不可能ですが、白髪の進行を遅らせることは出来るため、正しい毛髪に関する知識を身につけておくことが重要でしょう。

白髪を防ぐための対策方法

白髪が出来る原因について触れてきましたが、具体的な予防方法としては下記5つが挙げられます。

  • 食生活を整える
  • ストレスを避ける
  • 頭皮マッサージを続ける
  • 良質な睡眠を取る
  • 適度な運動を取り入れる

以下にてそれぞれの対策について解説します。

食生活整える

白髪を防ぐためには頭皮の栄養状態を整え、メラニンの正常な分泌を促す必要があります。

上記において重要なポイントは、髪の形成に必要な下記の栄養素を効率的に摂ることです。

  • タンパク質
  • チロシン
  • ヨード
  • 亜鉛

食事での摂取が難しい場合、手軽に取り入れられるサプリメントを活用してみても良いでしょう。

タンパク質

髪の主成分であるタンパク質は、白髪を初めとしたあらゆる髪トラブルの改善を目指す上で最も重要な栄養素です。

効率的に摂取するには、卵や大豆、肉・魚といった食品を毎度の献立に加える必要があります。

とは言え、毎食きちんと上記の摂取を意識することは手間がかかるものです。仕事に忙しく食事の管理が難しい場合、おすすめしたいものがプロテインです。水や牛乳と混ぜて飲むだけで手軽にアミノ酸バランスの取れたタンパク質を補給することが出来ます。

チロシン

チロシンは髪を形成するケラチンや黒髪を生み出すメラニン色素の材料となる栄養素です。

チーズや納豆、バナナなどにはチロシンが豊富に含まれているため、意識して取り入れると良いでしょう。

ヨード

海藻などに含まれるミネラル、ヨードにはメラノサイトを活性化させる働きがあります。

また腎臓の働きをサポートする効果もあるため、サラサラな血液を目指す上で役立つ栄養素でもあります。

わかめやひじき、昆布などの海藻類は手軽に取り入れやすいため、おかずの一品としておすすめです。

亜鉛

亜鉛はケラチンの材料となるアミノ酸の合成に必要不可欠な成分です。

正に健全な毛髪に欠かせない栄養素と言えるでしょう。

豚肉や鶏肉、卵などには亜鉛が豊富に含まれているため、定期的な摂取をおすすめします。

亜鉛と同様、銅も健全な毛髪には欠かせない栄養素です。

銅はチロシンからメラニン色素が生成される際に必要となるため、黒髪には欠かせない成分なのです。

普段の食生活では不足しがちな銅ですが、アーモンドや穀類、ごぼうなどは銅が豊富に含まれており手軽に取り入れやすいのでおすすめです。

ストレスを避ける

ストレスは白髪の引き金となる最大の要因と言えます。

なぜなら、ストレスは頭皮の血行不良やメラニンの枯渇を引き起こすためです。

例えば、ストレスにより自律神経の乱れが生じると緊張状態を作る交感神経が優位となり、血管の収縮が起こります。上記により血行不良が生じ、頭皮に毛髪形成に必要な栄養分が行き届かなくなるのです。

また、交感神経が優位になることで体内に増える神経伝達物質ノルアドレナリンにも白髪を進行させてしまう働きがあります。

2020年に行われた米ハーバード大学の研究によると、ノルアドレナリンがメラノサイトを過剰に刺激することでメラニン色素を枯渇させることが明らかになりました。
参考:科学学術誌Nature

過度なストレスを感じた場合、毛髪の色素が失われ急激な白髪の進行を引き起こす可能性があるのです。

白髪対策を心掛けたい場合、ストレスの原因を突き止め極力避けて生活すると良いでしょう。

頭皮マッサージを続ける

頭皮マッサージにより頭皮の血流改善を目指すことは、効率的な白髪予防につながります。

シャンプー時に行うと毛穴汚れにもアプローチすることが出来るため、より頭皮環境の改善を目指すことが出来るでしょう。また、オイルを使用して頭皮マッサージを行うと頭皮の保湿も行えるため、紫外線によるダメージを最小限に止めることが出来ます。

頭皮マッサージを毎日継続することが困難な場合、週1,2回のペースで取り入れるだけでも白髪予防に有効でしょう。

良質な睡眠を取る

良質な睡眠を取ることは白髪予防を目指す上で有効です。

睡眠中は副交感神経が優位になり血管の拡張や成長ホルモンの分泌が盛んに行われます。深い眠りにつくことで毛根のメラノサイトを活性化させ、メラニン生成を促すことが出来るのです。

質の良い睡眠を取るために、就寝前はなるべくリラックスした状態でいられるよう心掛けましょう。

ゆったりとした音楽やお好みのアロマ、38度から40度程度での入浴などは副交感神経を優位にする上でおすすめです。

適度な運動を取り入れる

運動には血流を良くするだけでなく、自律神経を整えたり良質な睡眠をサポートしたりといった効果があります。

白髪の改善だけでなく、健康的で若々しい体を目指す上でも運動は有効な手段です。

無理なく楽しめるものを日常に取り入れていくと良いでしょう。

白髪に関するよくある質問

白髪対策を行う上で挙がることの多い質問を紹介します。

Q. 白髪を抜くことで何か悪影響はありますか?

白髪を抜くことで、かえって白髪を増やしてしまう可能性があります。

まず、毛髪を無理に抜くと毛根付近にあるメラノサイトや毛母細胞、周辺組織にダメージを与えてしまいます。上記が原因で髪を黒くするメラニン色素の分泌が滞ってしまうことがあるのです。

そして、一般的に一つの毛穴からは2,3本の毛髪が生えています。1本の白髪を抜くことにより毛穴を共有する他の毛髪にもダメージが及ぶ可能性があるのです。

白髪を目立たなくするつもりで行った処置がかえって白髪を増やしてしまう行動となってしまっては本末転倒ですね。

また、白髪を抜くことによる毛根のダメージが大きい場合、再び毛髪が生えてこなくなる可能性もあるため注意が必要です。

手っ取り早く生えてしまった白髪を処理したい場合、根元付近で切ることをおすすめします。

Q. 白髪が増えてしまう食べ物はありますか?

白髪の原因となる食品として、食品添加物やトランス脂肪酸、糖質が多く含まれるものが挙げられます。

なぜなら上記成分は体内で分解される際に大量のアミノ酸やミネラル、ビタミンなどを消費し、黒髪に必要な栄養素が欠乏しやすい状態を生み出してしまうためです。

食事を菓子パンやカップ麺、コンビニ弁当などで済ませることが多い場合、一度見直してみることをおすすめします。

また、チーズやナッツ、バナナといった黒髪に有効な栄養素を含むものをおやつとして取り入れてみても良いでしょう。

Q. 白髪を黒髪に戻すマッサージはありますか?

白髪を黒髪に戻すためのマッサージとして下記ポイントを抑えておくと良いでしょう。

  • 指の腹や手のひらを使って優しく圧力をかけること
  • 頭頂部を念入りにほぐすこと
  • 耳周りから後頭部の付け根から上に向かってマッサージを行うこと

マッサージをする際は耳周りや後頭部付け根といった太い血管が巡る部位をスタート地点とすることをおすすめします。

頭部を巡る血管は全て毛細血管となるため、血流を良くするためには太い血管がある部位からきちんとアプローチをかけることが大切です。

また、頭頂部には百会という白髪対策に有効なツボがあるため、意識してもみほぐすと良いでしょう。

マッサージの際は決して爪を立てないよう指の腹や手のひらで心地よい圧力をかけることがポイントです。

最後に

今回は白髪が出来る仕組みや原因、対策方法についてお話しさせていただきました。改めて、本記事の重要ポイントを下記にまとめます。

  • 白髪とはメラニン色素の供給が不足によって起きる無着色状態の毛髪である
  • 白髪が出来る主な原因として食生活の乱れや血行不良、紫外線による頭皮ダメージが挙げられる
  • 白髪は生活習慣を変えることで改善を目指せる

本記事を通して、白髪に悩む方々が手軽に取り組める予防方法を知り、健康的な黒髪を目指していけるサポートが出来れば幸いです。

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