危険な抜け毛は毛根で分かる!薄毛の前兆をチェックするための方法

「毛根の様子が以前と違う…」
「最近抜け毛が気になるので、対策を知りたい…」
「正常な毛根と危険な状態の毛根の違いはなんだろう…」

このように髪の悩みはさまざまです。しかし、なかなか人には相談できないのではないでしょうか。

本記事では、「健康的な毛根と危険な毛根の違い」や「毛根が痩せ細ってしまう原因と対策」について解説します。

薄毛は進行しますので、進行を止めるためには早めの対応がカギになります。
本記事の内容を参考に、ご自身の毛根も一度チェックしてみると良いかもしれません。

ぜひ、最後までお目通しください。

毛根の仕組みと役割

髪の毛は、皮膚から出ていて触ることができる「毛幹」と地肌の中にある見えない「毛根」から構成されます。そしてこの毛根には毛球部が存在します。

毛球部は、髪の成長に必要な栄養や酸素を毛細血管から取り込みます。このような仕組みから、髪の成長には毛根の毛球部が重要な役割を果たしているのです。

健康的な髪の毛根は「マッチ棒」のように先が太く白い

健康的な毛根の形は、毛幹から毛根にかけて徐々に太くなっている上、毛根の先にある毛球部が丸くなっています。たとえるなら「マッチ棒」のような形です。

健康的な毛根は他にも特徴があります。具体的には以下の2点です。

  • 白色
  • 透明な膜で覆われている

まず毛根が白色の場合は健康的な抜け毛です。髪の毛が黒色なのに、白色が健康的と言われても不思議に思われるかもしれません。

髪の毛が黒くなる理由は、毛根からメラニン色素を吸収するからです。しかし髪の毛にも寿命があり、寿命を迎えた髪の毛は毛根からメラニン色素を吸収できなくなります。その結果、毛根が白く見えるのです。

つぎに、毛根が透明な膜で覆われている抜け毛の場合です。この透明な膜の正体は、毛根鞘(もうこんしょう)と呼ばれる組織。毛根鞘の役割は、髪の毛を頭皮につなぎ止めることです。健康な髪の毛には毛根鞘があり、自然に抜ける際に一緒に付くことがあります。

抜け毛があるとドキッとされる方もいるかもしれませんが、自然な状態でも1日100本程度は抜けています。抜け毛の本数を気にするよりも、抜けた髪の毛の状態を確認することで、頭皮の状態を把握する目安にすると良いでしょう。

危険な状態の髪の毛根は痩せ細っていて黒い

つぎに危険な状態の髪の毛とは、どのようなものなのでしょうか。AGAをはじめとした脱毛症の可能性がある危険な状態の毛根や毛の形の特徴について解説します。その特徴は以下の3点です。

  • 毛根が黒い
  • 毛根に白い付着物がある
  • 毛根が無く、形もいびつ

毛根が黒い

毛根が痩せ細っていて毛球部が黒い髪の毛は、AGA(男性型脱毛症)の可能性があります。健康的な状態で抜けた髪の毛の場合、毛根が白くなることはお伝えしました。これは髪の毛の寿命を全うして抜けたためです。

一方で毛根が黒いのは寿命で抜けた髪の毛とは異なり、まだ成長できる力があるにもかかわらず、抜けてしまったことを示しています。

AGAは髪の毛が成長する過程で抜けてしまう病気です。言い換えると、きちんと成長する前に余力がある状態で抜けてしまうので、「毛根が黒く、痩せ細った」特徴的な抜け毛になります。

毛根に白い付着物がある

毛根に白い付着物がある髪の毛は、皮脂トラブルにより髪の毛が抜けた可能性があります。具体的なトラブルとは、頭皮の毛穴に皮脂が詰まり、炎症が起こった場合などです。

この毛根に白い付着物がある髪の毛の特徴は、以下の2つです。

  • 毛根だけでなく、その周囲にも白い付着物が付いている
  • 毛根部がベタベタしている

解説したように健康な抜け毛は、白色の毛根、または毛根鞘が付いた毛根です。毛根に白い付着物が付いた抜け毛と健康的な抜け毛は似ている場合もあるので、よく観察して判別すると良いでしょう。

毛根が無く、形もいびつ

毛根の毛球部、いわゆる「マッチ棒の着火部」が無く、さらに毛根の形がギザギザなどのいびつな場合も危険な抜け毛です。このような症状に当てはまるのは、円形脱毛症の可能性があります。このような抜け毛に加えて、部分的な脱毛があれば要注意です。

毛根が痩せ細ってしまう原因

毛根が痩せ細ってしまったり、傷んでしまう原因を考えてみましょう。主に以下の5つが考えられますので、順番に解説します。

  • 男性ホルモン
  • 生活習慣
  • ストレス
  • 喫煙
  • カラー剤などの外的要因

男性ホルモン

男性ホルモンが髪に悪影響を与えることは、聞いたことがあるかもしれません。実際にその通りで、良くない男性ホルモンは髪にダメージを与えます。

お伝えしたようにAGAは、男性ホルモンが原因の脱毛症で、髪の毛が成長する過程で抜けてしまう病気です。なぜ男性ホルモンが関係するのかを、髪の毛の「ヘアサイクル」から考えてみましょう。

髪の毛には周期があり、ずっと伸び続けるのではありません。この周期を「ヘアサイクル」と呼び、以下の3つの時期に分類されます。

  • 成長期
  • 退行期
  • 休止期

成長期は髪の毛が太くなる時期で、期間は2-6年ほどです。新しい髪が古い髪を押し出すような形で、髪の毛が生えてきます。AGAの方の場合は、この成長期の状態が健康な方と異なります。

AGAの方の場合は成長期が数か月から1年程度と言われており、2-6年ほどの健康的な状態と比べると圧倒的に短いことが分かるでしょう。この原因が男性ホルモンの1つである、DHT(ジヒドロテストステロン)です。

成長期が短くなるメカニズムは、DHTが毛根の一部に作用することで成長期を止めてしまうため。DHTが作用するタイミングにより抜け毛の状態は異なりますが、いずれにしても十分に成長ができないと、髪の毛が抜けてしまったり薄く見えたりします。

生活習慣

生活習慣の乱れは、頭皮環境の乱れにもつながります。たとえば偏った食事は、頭皮に影響を与えます。もともとAGAの方は頭皮の分泌物が多かったり、脂っぽくなったりしてしまう傾向があります。脂肪分の高い食事を摂取する頻度が多いと、この傾向がさらに強まり、抜け毛が進行することにつながるでしょう。

また、AGAの方でなくても、頭皮に油分が多すぎる環境は良いものではありません。頭皮の毛穴に皮脂が詰まった結果、炎症により髪の毛が抜けることもあるからです。

その他に、睡眠不足も頭皮環境の乱れにつながる要因になります。寝ている間に身体では、成長ホルモンが作られます。この成長ホルモンは、頭皮の修復など重要な役割を果たします。

しかし睡眠不足になると、この成長ホルモンが体の中で十分に作られません。成長ホルモンが足りないと、日中に受けたダメージの修復が間に合わないことにつながるでしょう。このダメージが継続して蓄積すると、毛根が細くなる原因になります。

ストレス

毛根が無く、形もいびつな例として、円形脱毛症の可能性をお伝えしました。円形脱毛症の原因は不明な部分が多いですが、ストレスなどをきっかけに起こると考えられています。その原因は免疫細胞です。

通常は身体の外から侵入しようとする細菌やウイルスなどを免疫細胞が攻撃して、侵入を防ぎます。しかしストレスなどで免疫細胞が過剰に活性化すると、誤って自分の頭皮を攻撃してしまうのです。

喫煙

タバコは頭皮環境に悪い影響を与えます。具体的な理由としては、大きく分けて3つあります。

  • 多量の有害物質が含まれており、特にニコチンの影響が大きい
  • 頭皮に悪影響の男性ホルモンを、毛根の周りに発生させる
  • ビタミンCを大量に消費する

まずタバコには、有害物質が多量に含まれていることです。その中でもニコチンは、血管の収縮を引き起こします。血管の収縮で髪の毛に栄養を届ける毛細血管の血行が悪くなり、その結果、髪の毛に栄養が届きにくくなるでしょう。

つぎにタバコは、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる頭皮に悪影響の男性ホルモンを毛根の周りに発生させやすくします。このDHTはAGAの原因物質の1つであり、ヘアサイクルの成長期に髪の毛が十分に成長できなくなります。

最後にタバコを吸うことで、ビタミンCを大量に消費することです。具体的にはタバコ1本に対し、レモン1個分のビタミンCが消費されると言われています。ビタミンCは皮膚を構成するコラーゲンの材料で、その作用は頭皮に弾力を持たせることです。コラーゲンが不足すると肌の弾力が無くなり、頭皮が固くなります。新しく生まれる髪の毛は柔らかいため、頭皮が固いと外に出にくくなるでしょう。その結果、薄毛につながる可能性があります。

カラー剤などの外的要因

ヘアカラーに用いるカラー剤やパーマ剤などの外的要因も、毛根にダメージを与えることがあります。たとえばカラー剤を髪の毛に付ける場合には、頭皮に大きな影響は与えません。しかしカラー剤が頭皮に付くと、炎症が起こる可能性があります。特に頭皮がピリピリ感じる場合は、要注意です。

一時的な炎症であれば、そこまで大きな問題はありません。ヘアカラーによる炎症が短期間で複数回であったり、定期的にヘアカラーをしている場合は頭皮や毛根にダメージを与えている可能性があります。

髪の毛を健康的な状態に戻すための対策方法

これまで、毛根が痩せ細ってしまう原因について解説しました。

次はそれらの原因を取り除くための対策について、確認してみましょう。具体的には以下の5点です。

  • 内服薬を服用する
  • 塗り薬を使用する
  • 生活習慣を改善する
  • 外的要因を取り除く
  • シャンプーを変える

内服薬を服用する

AGAの対策は主に薬物治療で、飲み薬と塗り薬があります。使用されている内服薬は、効果別に2種類に分けられます。

  • ミノキシジル
  • フィナステリド/デュタステリド

ミノキシジル

ミノキシジルには、血行改善と毛母細胞・毛乳頭の活性化効果があり、発毛効果が期待できます。

頭皮の血管が広がることにより、血行が改善し、髪の成長に必要な栄養が届きやすくなるでしょう。

そして、ミノキシジルが髪の元になる毛母細胞・毛乳頭を刺激し、細胞分裂を活発にします。その結果、発毛効果につながるのです。

フィナステリド/デュタステリド

AGAが進行する原因は、DHT(ジヒドロテストステロン)です。DHTは、テストステロンという男性ホルモンが5αリダクターゼと結合することで作られます。フィナステリドとデュタステリドは、この5αリダクターゼの働きを抑えることで、抜け毛の予防効果があります。

飲み薬の注意点としては、国内では医師の処方せんが必要になります。海外から個人輸入をされている方もいらっしゃいますが、安全性の観点からおすすめできません。ご自身で判断せずに、医師に相談するようにしましょう。

外用薬を使用する

内服薬に抵抗がある方は、内服薬と比べて比較的副作用の弱い塗り薬がおすすめです。塗り薬で使用される成分は、主にミノキシジルが挙げられます。

ミノキシジルは、発毛剤で有名なリアップにも配合されている有効成分です。薬剤師がいるドラッグストアでも購入ができます。

なお、AGA治療を開始する場合は、早めの対策をおすすめします。理由はAGAの方は、ヘアサイクルの消費が速いためです。

一生のうちに行われるヘアサイクルの回数は上限が決まっており、40回程度と言われています。そのため、ヘアサイクルをすべて消費してしまうと、それ以上の髪の毛は生えてきません。ヘアサイクルが残っているうちに、なるべく早めに対応すると良いでしょう。

生活習慣を改善する

生活習慣の改善により頭皮環境を整えることができれば、髪の毛に良い影響を与えることができるでしょう。生活習慣にはさまざまな要因がありますが、以下のような対策があります。

食事

お伝えしたように脂肪分の高い食事の頻度が多いと、頭皮の皮脂分泌量が増え、頭皮トラブルにつながります。男性はからあげなどの脂質の多い食事を好みますが、頭皮のためにも脂質を控えて野菜を増やすなど、バランスの良い食事を心がけると良いでしょう。

運動

運動不足は血行不良を引き起こします。血行が悪いと、髪の毛の発育に必要な血液が頭皮へ十分に届かなくなります。適度な運動をし、血行を改善することで頭皮にも良い影響を与えるでしょう。

睡眠

頭皮の修復は、寝ている間に分泌される成長ホルモンによって行われます。睡眠不足が続くと成長ホルモンの不足により、頭皮の修復が十分に行われません。その結果、頭皮にダメージが蓄積してしまいます。

頭皮のダメージを修復するためにも、一定の睡眠時間を確保しましょう。睡眠時間は個人差がありますが、厚生労働省による発表では6~8時間を推奨しています。

禁煙

タバコによる頭皮への悪影響は以下の3つです。禁煙することで、これらの悪影響を取り除くことができるでしょう。

  • ニコチンによる頭皮の血行の悪化
  • ヘアサイクルの成長期の短縮
  • ビタミンCの消費による頭皮の硬化

4.外的要因を取り除く

外的要因であるカラー剤などの使用をやめることで、頭皮の環境改善が期待できます。場合によっては一番手軽に取り組める対策かもしれません。

どうしてもヘアカラーを行いたい場合は、市販品より美容院で染めた方が良いでしょう。その理由は、市販品は染まりやすいように美容院の製品よりも強い薬剤が使われているからです。美容院で染める場合でも、可能ならオーガニックやヘナ、ヘアマニキュアなど負担の少ないカラー剤を使用することをおすすめします。

5.シャンプーを変える

頭皮環境を整えるために、シャンプーを変える方法もあります。男性用のシャンプーは、油分をしっかり落とす洗浄力の強いシャンプーが主流です。

しかし頭皮の状態は人それぞれで、乾燥肌の男性もいます。そのような方が洗浄力の強いシャンプーを使用すると、頭皮を守るための必要な皮脂まで取り除いてしまう可能性も。皮脂が不足すると、かゆみが出たりフケが増えたりするので要注意です。

乾燥肌や敏感肌の方は、低刺激や敏感肌の方向けのシャンプーを使用することをおすすめします。いずれにしても、ご自身に合うシャンプーを選ぶことで、頭皮の状態を適切に保つことができるでしょう。

毛根と抜け毛に関するよくある質問

最後に、毛根と抜け毛に関するよくある質問をまとめました。

Q. 毛根鞘と皮脂はどのように見分ければいいですか?

毛根鞘が付いた抜け毛は、毛根が透明な膜で覆われています。

一方で皮脂が付いた抜け毛は、以下2つの特徴があります。

  • 毛根だけでなく、その周囲にも白い付着物が付いている
  • 毛根部がベタベタしている

どちらに当てはまるか、確認してみてください。

Q. 毛根に皮脂がついている場合は抜け毛に繋がりますか?

はい、抜け毛に繋がる可能性があります。

毛根に皮脂がついた抜け毛は、いわゆる皮脂トラブルにより髪の毛が抜けたと考えられます。頭皮の毛穴に皮脂が詰まると、雑菌の繁殖による炎症を引き起こします。その結果、抜け毛に繋がる可能性が高まるでしょう。

まとめ

今回は薄毛の前兆を、危険な抜け毛の毛根からチェックする方法を解説させていただきました。本記事の重要なポイントは以下の3つです。

  • 健康的な髪の毛根は「マッチ棒」のように先が太く、色は白色または透明
  • 危険な状態の髪の毛の毛根の特徴
  • 毛根が痩せ細ってしまう原因と対策

もし髪の毛に不安がある方は、今回の内容を参考に一度ご自身の毛根を確認されてみてはいかがでしょうか。

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